東京都、水道基本料金を無償化 今夏4カ月間限定 猛暑対策で

2025/05/20 20:00 

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 東京都の小池百合子知事は20日、都内の全ての一般家庭などを対象に、今夏4カ月限定で水道基本料金を無償化すると発表した。関連経費は368億円の見込み。猛暑対策の一環で、家計の負担を抑えて適切なエアコン使用につなげる狙い。都によると、水道基本料金の無償化は都道府県単位では全国初という。

 小池氏は「物価高騰が続く中、暑さ対策にも資する。都民が安心して暮らせる環境を整えたい」と述べた。また「(今夏限りの)特例的、臨時的な措置だ」とも説明した。

 都財務局によると、無償化は都内の全ての一般家庭や個人商店など約820万件が対象。使用量に応じて加算される「従量料金」は減免しない。開始月は2カ月に1度の検針時期によって、6月か7月か分かれる。標準的な契約の場合、1世帯当たり4カ月で計約5000円の負担減を想定する。

 都水道局が管轄しない多摩地域の3市1村と島しょ地域についても都が該当市町村に交付金を支出することで、基本料金を無償化する。

 財源には一般会計のうち、執行する見込みがなくなった補助金などを充てる。

 近隣県からは地域格差を懸念する声も上がる。埼玉県の大野元裕知事は20日、定例記者会見で「(基本料金を)税金でまかなうことの是非は、有権者、納税者に問われなければならない。都の財力があって初めて実施できる政策だ」とくぎを刺した。【柿崎誠、鷲頭彰子】

毎日新聞

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