川崎・遺棄事件 桶川ストーカー遺族「なぜ助けられなかったのか」
川崎市の民家で岡崎彩咲陽(あさひ)さん(20)の遺体が見つかった事件について、1999年に埼玉県桶川市で起きた「桶川ストーカー事件」で娘を殺害された猪野憲一さん(74)は「なんで助けてあげられなかったのか。警察官は被害者に寄り添い、もっと踏み込んだ対応をしてほしい」と訴える。
大学生だった娘の詩織さん(当時21歳)は、元交際相手(事件後に自殺)から中傷するビラを近所でまかれたり、自宅前で騒音をたてられたりする被害を受けていた。埼玉県警に相談したが取り合われず、JR桶川駅前で元交際相手の兄ら4人に刺殺された。
この桶川事件は大きな社会問題となり、2000年にストーカー規制法が成立するきっかけになった。
今回の事件で岡崎さん側は、元交際相手の白井秀征容疑者(27)からストーカー行為を受けていると神奈川県警に訴えていた。いったん被害届を出したが、後から取り下げていた。
憲一さんは「ストーカー事案では、被害者が精神的に支配されて被害を訴えられないことがある。加害者は手を替え品を替え、警察を介入させないようにする」として、「警察は、被害者が積極的に話せる勇気を与えるような行動が必要だ」と強調する。
桶川事件では「被害者はブランド好き」など誤った情報が報道され、詩織さんや遺族がバッシングを受けた。憲一さんは「デマが拡散し、社会から抹殺されるような気持ちだった」と振り返る。
今回の事件でも、ネットでは岡崎さんや遺族を中傷する情報が広がっている。
憲一さんは同じような犠牲者をなくしたいと、事件から1年後に自身の体験や教訓を語る活動を始めた。これまでに全国で約130回講演し、うち約40回は警察学校で話をした。
警察学校では「小さな悩みも確実に聞いてあげてください」と呼び掛け、「正義をもって、法の下に市民の安全を守れる組織は警察だけ」と激励するという。
20歳で命を落とした岡崎さんに、1歳しか違わなかった愛娘の姿が重なる。憲一さんは遺影に「また詩織と同じかわいそうな子が出ちゃった。ごめんね。お父さんの力不足だね」と話したという。警察には「被害者に『私たちはあなたを守ります』という姿勢で臨んでほしい」と求めた。【白川徹】
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