森友開示文書 「廃棄過程で欠落」と財務省説明 7年前報告書を踏襲

2025/05/09 20:11 

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 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る財務省の公文書改ざん問題で、4月に開示された関連文書に振られた番号について、欠番があることが明らかになった。財務省は7年前、政治家らの記載がある応接録などを廃棄したと発表しており、その過程で文書が欠落したと考えられると説明している。

 関連文書は、改ざんを苦に自殺した財務省近畿財務局元職員の赤木俊夫さん(当時54歳)の妻雅子さん(54)が開示を求めてきた。

 文書は全体で17万ページに上るとされ、財務省は4月、国有地取引に関わる文書やメールなど2000ページ超を開示した。文書には380までの通し番号が振られていたが、70個以上の番号が抜け落ちており、対応する文書自体も欠落していた。雅子さん側はその理由の説明を財務省に求めていた。

 財務省は9日付で、改ざん・廃棄に関する報告書(2018年)を引用しながら回答した。国有地売却問題が国会で紛糾した17年当時、政治家らとの応接録を廃棄したことから、開示文書から欠落したと考えられると説明。廃棄は国会での質問を避けるためだったと改めて明らかにした。

 そのうえで、欠落した文書を含むリストを公表した。14年4月には学園側が財務局に対し、安倍晋三元首相の妻昭恵氏と一緒に撮影した写真を示して土地交渉を進めていたことが分かっているが、この時期の応接録は欠落していた。

 他にも土地取引の状況について、学園側から相談を受けた政治家の秘書らが財務局に問い合わせた複数の記録も抜け落ちていた。

 雅子さんの代理人を務める生越照幸弁護士は記者会見で「組織的に文書を管理しているはずなのに抜け落ちているのは、公文書の取り扱いとして間違っている」と批判した。【岩崎歩、土田暁彦】

毎日新聞

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