児童漫画の名匠、太田じろうの世界知って 福岡で企画展

2025/05/07 17:02 

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 戦後に児童漫画の名手として活躍した太田じろう(1923~82年)の企画展「児童まんがの名匠 太田じろうの世界」が、北九州市小倉北区の市漫画ミュージアムで開かれている。原画やキャラクターグッズなど約70点が展示されている。

 太田じろうは東京生まれで、映画の看板描きや出版社勤務などを経て、漫画家・絵本作家として児童向け雑誌を中心に活躍した。「こりすのぽっこちゃん」「がんばれガン太」などの代表作がある。

 可愛く擬人化された動物キャラクターや柔らかな色彩が特徴で、レトロで懐かしい雰囲気が漂う。高いデッサン力による風景描写や立体構図も見どころ。

 会場には、集英社の幼年誌「こばと」「こばと幼稚園」に連載された「こりすのぽっこちゃん」を中心とする50~60年代の児童漫画の原画を中心に約40点の作品を展示する。70年代に手掛けた青年雑誌の表紙イラストや、「学研まんが人物日本史」シリーズで担当した西郷隆盛などのコマ割り、大刀洗飛行場(筑前町など)で従軍した際に描いたスケッチも並んでいる。

 このほか、銀行のノベルティグッズになったぽっこちゃんの貯金箱や、ハンカチなどのキャラクターグッズ約30点も飾られている。

 学芸員の石井茜さんは「今見てもかわいいというところを70年前の原画から発見できるというのは面白い体験。企画展で太田じろうという作家に出会って、絵のうまさ、画業の幅広さを知ってもらえれば」と話している。

 6月1日まで。開館は午前11時~午後7時。火曜休館。入館料は一般480円、中高生240円、小学生120円。【斎藤毅】

毎日新聞

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