高速道路で逆走 全国で年200件 なぜ起きる? 最も多い発生場所は

2025/04/27 18:13 

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 4月26日、栃木県那須塩原市の東北自動車道上り線で、逆走した車が複数の車と衝突事故を起こし、2人が死亡した。

 高速道路の逆走は毎年、全国で200件ほど発生しており、このうち約2割が何らかの事故につながっている。重大な結果を招きかねない逆走はなぜ、どこで起きているのだろう。

 国土交通省の調査によると、2023年は39件の逆走事故があり、うち8件は当事者が死亡するなどの重大事故だった。

 23年の逆走事案を運転手の年代別にみると、65歳以上が約7割を占める。逆走による事故も65歳以上が約6割に上り、例年、高齢者が多い傾向がある。

 また、逆走の発生場所では、高速のインターチェンジ(IC)やジャンクション(JCT)などの「分合流部・出入り口部」で最も起きやすく、次いで直線やカーブなどの「単路部」や、料金所の前後も多かった。

 危険な逆走はなぜ起きるのか。最も多いのは、誤って一般道から高速に進入し、結果的に逆走してしまうなどの過失によるものだ。高速の出入り口には道路標識や路面標示があるが、他のことに気を取られていると判断ミスを招く。

 一方、意図的な逆走もある。目的のICを通り過ぎたり、分岐を間違えたりして、本来のルートに戻ろうとして故意に逆走するケースだ。

 さらに高齢ドライバーにみられるのが、認知能力の低下による逆走。認知症などで、自分が逆走していることに気づいていない場合だ。同乗者が止めない限り、長い距離を逆走し続けて重大な事故を引き起こす危険を伴う。

 発生要因別にみると、認知症による逆走は約3割で、増加傾向にあるという。

 逆走している車を目撃したら、どうすればいいのか。警察庁によると、逆走車は自分から見て最も右の車線(追い越し車線)を走ってくることが多いので、最も左側の車線を走る方が安全という。

 警察庁は、逆走車を発見したらスピードを落として路肩などに停車し、安全な場所から通報するよう呼び掛けている。【最上和喜】

毎日新聞

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