健保組合、76%が赤字 現役世代の負担大きく 保険料率は過去最高

2025/04/23 17:21 

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 健康保険組合連合会(健保連)は23日、全国の健保組合の2025年度予算推計をまとめ、平均保険料率が前年度比0・03ポイント増の9・34%と過去最高になったと発表した。1人当たりの年間保険料は同1万7269円増の54万4143円(原則は労使折半)となる。

 前年度6582億円だった経営収支赤字額は3782億円に改善した。被保険者数の伸びと春闘による賃上げ効果の影響が要因とみられる。

 ただし1372組合のうち、赤字組合数は1043と全体の76%占め、厳しい収支状況を脱していない。高齢者向けの医療費を支える拠出金が増え続けており、特に団塊の世代が全員75歳以上に入ったことで後期高齢者医療制度の財政を支えるために拠出する支援金の伸びが大きい。

 佐野雅宏会長代理は、義務的経費(法定給付費と拠出金)に占める拠出金の負担割合が4割を超える状況が常態化し、現役世代の負担が大きい傾向が続いていることを指摘。「拠出金の見直しなどで高齢者と現役世代の負担のアンバランスを解消しなければならない」と述べた。

 全国の健保組合には、主に大企業の従業員やその家族ら約2800万人が加入している。【阿部絢美】

毎日新聞

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