大井川鉄道井川線「大幅値上げ」から3カ月 利用者減は予想より小幅も…紅葉シーズンへ影響は?…

2026/10/08 11:45 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 大井川鉄道が川根本町と静岡市葵区井川地域を結ぶ井川線(25・5キロ)を7月に観光列車化して3カ月。約2・6倍に及ぶ乗車料金の大幅値上げで懸念された利用者減は当初予想より小幅に推移し、同社は予約制導入が利用者と沿線事業者双方にメリットをもたらしているとみる。一方、地元観光関係者からは「まだ値上げを知らずに来る人もいる」と、書き入れ時の紅葉シーズンに影響が出ないか危ぶむ声も聞かれる。
 同社は値上げによる利用者の減少を月約10%減と想定していたが、7、8両月は前年比でほぼ横ばい(速報値)にとどまった。一部列車を除く乗車料金が一律片道3500円となり途中下車が減ったため、終点の井川駅の乗降者数が増加する副次効果も生まれ、10月以降の予約も順調という。
 値上げで心配された利用者満足度の維持・向上には、沿線との連携強化を目的にした「大鉄サポーターズクラブ」が貢献する。加盟社の半数が井川線沿線事業者で、弁当販売やカフェの割引などで協力。味やサービスなど地域の魅力を伝える役割を果たしている。
 予約サイトの利便性改善や人気の奥大井湖上駅の滞在時間向上など課題は残るが、利用者分析を進め新たな戦略策定に生かす構想もある。広報担当者は「事業者との連携を深め、沿線全体のファンづくりを前進させたい」と意気込む。
 ただ、同社が値上げを発表した際に地域への説明不足を指摘した川根本町の観光関係者からは、不安の声も上がる。千頭駅前の飲食店「Cafeうえまる」の山本敦子店長は「乗車券とセットで販売する弁当の売れ行きは好調」としつつ、「悪天候や物価高もあり値上げの影響だけではないが、来店客は体感で前年比約2割減」と駅周辺の人流減少を感じている。
 途中駅である接岨峡温泉駅前の旅館「森林露天風呂」では7、8月の宿泊者数が半減した。運営に携わる長嶋真義さん(51)は「乗車料金分で予算を超えるため、家族連れを中心に宿泊をキャンセルする連絡も多い」と話す。10月以降の予約も低調といい、「うちまで値上げするわけにはいかない。少しでも料金を下げてもらわないと、常連客も離れてしまう」と危機感を口にした。
静岡新聞

静岡ニュース

静岡ニュース一覧>

注目の情報