増える膵がん、最新治療提供へ 膵がん・胆道がんセンター新設 静岡県立静岡がんセンター 診断…

2026/08/27 09:32 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 長泉町の静岡県立静岡がんセンターはこのほど、難治性がんへの対策の一環として「膵(すい)がん・胆道がんセンター」を新設した。専門の検診コースを設け、診断から治療、緩和医療までワンストップで提供する全国初の体制を整えた。ゲノム医療の活用で治療が急速に進歩する中、各分野の特徴を生かした「集学的治療」を推進するとともに、創薬や治療技術の開発、専門医の育成などに取り組む。
 膵がんの罹患(りかん)数は高齢化に伴い、20年前の2倍以上に増加している。初期症状が乏しいため発見時には進行していることが多く、5年生存率は全体平均で12〜13%と極めて低い。
 手術や抗がん剤、放射線療法などが治療の基本だが、近年は遺伝子変異に対応する分子標的薬の開発が相次ぎ、生存期間の延長が期待されている。胆道がんは既に複数の薬が実用化されているほか、開発が難航していた膵がんも米国で新薬の効果が発表され、医療関係者の注目を集めている。
 こうした動きを受け、同センターでは外科や内科と他部門との連携を強化。ゲノム医療に関連した治験の強化に加え、画像診断や放射線治療、支持医療、緩和ケアなど複数の領域にわたる臨床試験に力を入れる方針だ。
 新たに始まった「膵がん・胆道がんドック」では、通常のがん検診では実施しない超音波内視鏡検査やMRIを取り入れ、腫瘍マーカーの検査項目を充実させた。周辺の医療機関と連携し、リスク因子のある人へのアプローチにも取り組む。
 同センターの膵がん手術件数は年間150件前後で、診療実績は全国でもトップクラスを誇る。手術後に抗がん剤治療を行う補助化学療法では、同センターが有効性を示した治療法が標準治療のガイドラインに採用された実績もある。石渡裕俊センター長は「ゲノム医療の進化で膵がん治療は過渡期にある。治療が複雑化する中、より適切なタイミングで最新の医療を提供したい」と話す。
 <膵(すい)がん・胆道がん> 膵がんは消化液の通り道である膵管に発生する。国立がん研究センターの統計によると、2023年に新たに診断されたのは4万7540例。4万人超が膵がんで死亡し、がん全体の死亡数(男女計)で第3位となっている。胆道がんは胆管や胆のうなどに発生し、5年生存率が20%台と膵がんに次いで低い。23年の診断数は2万926例。
 
静岡新聞

静岡ニュース

静岡ニュース一覧>

注目の情報