豚熱発生時の「全頭殺処分」見直しへ 農家経営への打撃を考慮 東海農政局が説明会

2026/06/10 09:13 

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 農林水産省東海農政局は5日、家畜伝染病「豚熱(CSF)」発生時の殺処分対象見直しに関する説明会を名古屋市で開いた。従来は1頭でも感染が判明した養豚場は全頭を殺処分していたが、養豚農家の経営に及ぼす影響や防疫措置に伴う人的・財政的負担を考慮し、対象を限定する「選択的殺処分」にかじを切った。
 5月15日に成立した改正家畜伝染病予防法に規定された。適用は同19日。静岡県内では3月と5月に富士宮市の養豚場で豚熱が相次いで発生し、計6千頭余りが殺処分された。鈴木康友知事は農家への影響が大きいとして、一律の殺処分を早期に見直すよう農水省に要望していた。県は県内全域の養豚場などに消毒命令を出し、まん延防止を図っている。
 説明会には静岡県をはじめ東海地方の畜産関係者らがオンラインを含めて出席した。農水省の担当者は「適切なワクチン接種により免疫を獲得した症状のない豚は、殺処分しなくても感染拡大リスクにならない」と説明。殺処分の範囲は県と国が協議して決め、発生農家が自らの経営判断で選択することはできないと指摘した。殺処分の対象としてワクチン未接種の豚や接種後20日を経過していない豚、発育不良の豚、既に感染している豚などを挙げた。「適切なワクチン接種や衛生管理の徹底によるウイルス侵入防止が引き続き重要」とも述べた。
 豚熱は2018年、国内では26年ぶりに岐阜市で発生し、これまでに全国で約44万8千頭が殺処分された。野生イノシシの間でウイルスが広がっているとされ、農水省は「いつどこで発生してもおかしくない状況」と警戒を呼びかけている。
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