日本初の更生保護施設が“復活”「人はやっぱり誰かとつながっていないと」 静岡県勧善会、地検…

2026/06/02 11:30 

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 身寄りのない刑務所出所者らの保護を目的に明治期に立ち上がった日本初の更生保護施設「静岡県勧善会」(静岡市駿河区)。2022年4月から活動停止状態となっていたが今春、再び本格的な受け入れを始めた。更生保護関係者らの惜しむ声を受け、静岡地検職員や保護司らが中心となって荒れ果てた施設を一から手作業で立て直し、再開にこぎ着けた。静岡市や県弁護士会とも連携し、全国の更生保護施設で初となる事業にも乗り出した。
 勧善会によると、八幡山のふもとにたたずむ施設は1888年、実業家の金原明善らが設立。全国100カ所以上まで広がった更生保護施設の原点とされる。130年以上にわたり出所者らの衣食住を支えてきたが、担い手がいなくなり、22年4月で入所者の受け入れが止まっていたという。
 歴史ある聖地をなくしてはならないと、後任の施設長として白羽の矢が立ったのが、地検再任用職員の藤原豊彦さん(64)だった。新しい理事会を整え、地検職員有志や保護司らが参加して掃除やペンキ塗りなどを手作業で行った。今年1月14日に事業再開を宣言。偶然にも金原明善の命日と重なった。
 藤原さんが引き受けた背景の一つには、地検で社会復帰支援を担当した当時の苦い経験がある。初めて支援した人がすぐに罪を犯した。「こんなの無駄」と思ったが支援を重ねるうち意義を実感した。「一回で立ち直れなくても続けることで最終的に立ち直ればいい」との思いが胸にある。
 2月に最初の男性(64)を迎えてから受け入れを続け現在、少年院を仮退院したり、起訴猶予や執行猶予となったりした身寄りのない16歳から70代までの男性10人が入所している。
 非常勤職員が24時間体制で見守る。釈放後の生活を見据え、弁護士側の依頼で社会福祉士などが担う「更生支援計画」の作成を更生保護施設で法人受任する全国初の試みも始めた。
 入所期間は原則6カ月。手厚い支援の中で、就職など退所後の方向性も見え始めた。施設の近くに住み続けたいと願う入所者もいるという。藤原さんは「人はやっぱり、誰かとつながっていないとだめ。何かあれば飛んで来てほしいし、こちらもすぐに会いに行ける関係をつくっていきたい」と先を見据えた。
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