進まぬ「災害時の個別避難計画策定」 医療的ケア児者は5%未満 静岡県初調査で判明

2026/03/19 10:06 

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 要支援者の災害時の避難先や連絡先を市町や当事者があらかじめ決めておく「個別避難計画」について、医療的ケアが必要な人の策定が4・6%にとどまっていることが、11日までの静岡県の調査で分かった。1人暮らしの高齢者や障害者も含め、県全体で計画策定が伸び悩む中、医療的ケア児者も例外ではない現状が浮き彫りになった。
 当事者や家族の課題やニーズを把握し、施策に反映するため初めて調査した。これまでは医療的ケアの定義が定まっておらず、市町によって対象や把握状況が異なっていた。
 県の調査では、障害福祉サービスなどの利用における判定スコアに記載の「人工呼吸器の管理」「気管切開の管理」など、14項目のいずれかに該当する児者を医療的ケアの定義とした。

 医療的ケアが必要な人は昨年5月1日時点で4381人で、このうち17歳以下は714人だった。市町の避難行動要支援者名簿に登録されているのは1065人で全体の24・3%。67・8%が名簿への登録もなかった。県によると、名簿への登録には当事者らの同意が必要だが、個人情報保護を理由に登録に否定的な人も一定数いるという。
 医療的ケアの内容は、17歳以下では管を使って栄養を補給する「経管栄養」が327人で最多。たんや鼻水を機械で吸い出す「吸引」が224人、装置を用いて体内に酸素を取り入れる「酸素療法」が164人だった。18〜64歳は継続的な透析が881人、皮下注射が852人、排便管理が629人などだった。
 県は2026年度、医療的ケア児者など特に支援が必要な人の個別避難計画の策定支援に着手する方針。自治会や医療福祉関係者と連携して計画のモデルを作成し、関係者間でノウハウを共有して策定を加速する。
 障害福祉課の担当者は予備電源など必要な資材の備蓄や、支援物資の適切な配布などには事前の計画策定が重要だとし、「名簿への登録や計画策定の必要性を周知していきたい」と話した。調査は3年に1度行い、結果を公表するという。
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