広がれ「電源ドナー」災害時に命つなぐ仕組みづくりを 停電時に人工呼吸器給電へ車両バッテリー…

2026/01/22 09:21 

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 大地震などの災害時、人工呼吸器が必要な難病患者らに物流企業などが保有する車両のバッテリーから給電する「電源ドナー」に注目が集まり始めている。普及・啓発団体の「電源ドナー協会」(東京都)が2025年12月下旬、静岡、愛知両県と東京都の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者団体の関係者と浜松市中央区で会合を開き、今後各地で普及を目指していくことなどを確認した。
 「自動車のバッテリーをインバーター経由で電化製品につなげば、安定して電気を供給することができます」―。会合場所で行われた実演で電源ドナー協会の菊竹玉記代表理事が、ランプのスイッチを入れると明るい光が点灯した。
 同協会は、電動フォークリフトのバッテリーを遠隔監視する会社を経営する菊竹代表理事が中心となり、25年6月に設立した。電源ドナーに協力する物流会社や中古車販売店を募り、▽ウェブ上の地図で事前登録した倉庫や中古車販売店で、電動フォークリフトや在庫の中古車のバッテリーを給電用に開放▽物流企業がトラックを患者宅に派遣し、その場で人工呼吸器に給電▽フォークリフトやゴルフカートの中古バッテリーを再利用した蓄電池を有償レンタルで提供―の三つの事業を展開している。
 「フォークリフトやトラックはバッテリー容量が大きく、長時間の給電に向く」と菊竹代表理事。25年末時点で宮城県や東京都など1都3県の8社が協力し、12カ所の給電スポットが登録されている。
 自宅で人工呼吸器を使用している難病患者にとって、電源確保は最重要課題。各家庭は発電機や充電式のポータブル電源を購入したり、事前避難の入院先を確保したりと対策を進めているが、使用可能な時間や受け入れ先への移動に不安がある。近年は地震だけでなく、台風などでも長期の停電が発生していて、患者団体の危機感は高い。
 日本ALS協会静岡県支部の内山悦子支部長は「患者と家族にとって、電源確保の選択肢が増えるのはありがたい」と期待を寄せる。
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