過去最悪ペースで拡大…「ニセ警察官」の特殊詐欺 実際の「ビデオ通話」を静岡県警が公開

2025/08/27 08:45 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 静岡県警は26日までに、警察官をかたる特殊詐欺事件で、実際に県内の女性の携帯電話にかかってきたビデオ通話の音声と画像を公開した。偽の警察手帳を示すなど本物の警察官を装った上で、多額の現金を一つの口座にまとめるよう指示してだまし取ろうとする手口。県警の担当者は「警察官がビデオ通話で金銭のやりとりを指示したり、取り調べを行ったりすることは絶対にない」と注意を呼びかける。
 公開した映像は1分22秒。犯行グループから4月に電話を受けた女性が警察に通報し、通話画面の撮影などで協力した。実際のやりとりのうち、手口の要点が分かるよう県警が編集した。
 画面に登場したのは「捜査2課の佐藤」を名乗る白いシャツ姿の男で、女性の資産を確認する名目で銀行に赴き、現金を別の口座に移すよう指示。「銀行には共犯者がいる。警察に協力していると言わないで」などと矢継ぎ早に注文した。
 女性が求めると警察手帳と称するものを示したが、警察の規則で制服用シャツに着装が義務付けられている階級章は身に着けておらず、後ろの壁のコンセントが海外で主流の「三つ穴」に見えるなど作りの荒さも目立った。
 県警によると、県内の今年1〜7月の特殊詐欺被害額は14億3100万円(暫定値)と過去最悪ペース。このうち警察官をかたる手口は10億3700万円(同)と全体の約7割を占めた。「あなたの口座が犯罪に使用された。資産を確認する」などと一方的に言われ、冷静な判断ができないまま被害に遭うケースが多いという。
静岡新聞

静岡ニュース

静岡ニュース一覧>

注目の情報