独居老人「意思表示もできなくなったら…」 静岡市が「伝達役」に 緊急連絡先や死亡後手続きな…

2025/08/27 09:11 

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 独居や身寄りのない高齢者らに緊急連絡先や死亡後の手続きなどの情報を事前登録してもらい、高齢者が認知症や急病で意思表示できなくなった場合に医療機関などにそれらの情報を伝達する仕組みを静岡市が県内で初めて整えた。身寄りのない高齢者への対応を巡っては、ケアマネジャーらが無償の業務外支援を余儀なくされたり救急病院からの転退院が難しくなったりする事例が県内で問題になっていて、解決策の一つになるのか注目される。
 制度の名称は「終活情報登録・伝達事業」。希望する65歳以上の市民が対象で、区役所の窓口で申請を受け付けている。医療機関や消防、警察のほか、本人があらかじめ指定した友人・知人などから問い合わせがあった場合、市が本人に代わって登録情報を伝える仕組み。登録できる情報は、同意を得た友人・知人や身元保証業者などの緊急連絡先をはじめ自身の病歴、延命治療の意向、葬儀や遺品整理の依頼先、墓の所在地、遺言書やエンディングノートの保管場所など。
 登録時に自宅掲示用や携帯用の登録証を本人に配り、病気や事故で意思表示できなくなっても登録したことが周囲の人や救急隊に分かるようにする。より詳細な情報を記入できるエンディングノート(窓口で無料配布)の活用とも連動させ、死亡後の事務手続きが円滑に進むよう配慮した。認知症などで高齢者本人が既に意思表示できない場合は家族・親族や成年後見人も登録手続きできる。
 市の担当者は「自治会や老人クラブ、介護関係者の会合で周知し、元気なうちに多くの人に登録してもらいたい」と呼びかける。
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