小野伸二さん 沼津の少年時代「成長を加速してくれた時間」 故郷で講演

2025/06/13 09:08 

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 沼津市で12日に開かれた静岡新聞社・静岡放送の「サンフロント21懇話会」の30周年記念総会では、同市出身でサッカー元日本代表の小野伸二さんが記念講演し、幼少期から国内、海外のプロリーグでの活躍を振り返った。少年時代について「(強豪校が多い)中部、西部の選手に負けないぞという気持ちで、自分の成長を加速してくれた時間」と表現し、「沼津に生まれたことを誇りに思う」と故郷への感謝を語った。
 小野さんは市立今沢小、今沢中から清水商高(現清水桜が丘高)に進み、1998年に浦和レッズに入団。清水エスパルスやオランダ1部フェイエノールトなどで活躍した。SBSの新城健太アナウンサーとの対談形式で、元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナさんに憧れてボールを追いかけた日々や、10人兄弟を育てた母親を支えたいとの思いから高校卒業後のプロ入りを決めたというエピソードを明かした。
 2023年の現役引退後はJリーグ特任理事として全国各地に出向いて小学生の指導を行っていて「子ども以上に自分が楽しんでいる」といい、サッカーがやりたい、楽しいという意欲が大切との認識を示した。
 総会では「一人一人が輝く東部へ」をテーマに、高校、大学生らが参加して実施した30周年事業を矢作恒雄慶応大名誉教授が総括した。県東部発の持続可能な地域づくりに向けて「世代別のターゲットを明確にした人口流出対策が必要」と指摘し、▽子育てに優しい地域づくり▽世界最先端の大学院大学創設▽戦略性のある産業振興―などを提案した。
 本県を「豊かな自然環境や気候など『日本一の豊かさ』が当たり前」としつつ、人口流出が止まらない現状を脱することの重要性を説いた。住民への本県の魅力の啓発に加え「女性が仕事を持つことが当たり前という意識改革も必要」とも述べた。
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