【浜松女児4人死傷】「車取り上げられると思い」運転男性、胸の発作自覚も相談できず

2025/05/06 08:22 

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 3月に浜松市中央区舘山寺町で発生した女児4人が死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で送検後、処分保留で釈放された同区の農業男性(78)が5日、事故後初めて取材に応じ、事故前から持病により胸が苦しくなる発作が出ることを自覚していたとし、「車を取り上げられると思い、家族に相談できなかった」などと明らかにした。男性は、4日夜に事故で死亡した小学2年女児(8)の自宅を訪ね、父親(37)に謝罪したことも明かし、「一生かけて償いたい」と述べた。
 男性によると、発作が出るのは昨秋ごろからという。月に数回ほど「心臓が『うっ』と痛くなり、めまいがする」症状で、血糖値やコレステロール値、狭心症などに関する薬を服用。事故の数週間前には運転中に発症し、垣根に衝突する事故を起こしたという。一方、「田舎では車がないと生活できないと考え、家族に言えなかった」とした。
 女児の自転車の列に衝突した時のことは「子どもたちを道路左側で見た記憶がない」と振り返った。事故現場の手前のカーブまでは「覚えていると思う」と述べ、気付いた時には事故が起きていたという。
 4日夜、2人の息子とともに死亡女児宅を初めて訪れ、父親に謝罪の言葉を述べた。男性は「月命日にお参りをさせてほしい。できる限りの行動をしようと思っている」と語った。
 死亡女児の父親は5日、取材に「事前に連絡なく突然謝罪に来た。全く誠意を感じなかった」と語気を強めた。事故現場で手を合わせたかどうかなど、父親側からの問いかけにほとんど答えなかったとして「とても反省しているとは思えなかった」と怒りをあらわにした。
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