ランドセル商戦が早くも本格化 2026年春入学向け 多彩な色や機能性掲げ提案

2025/03/28 09:45 

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 入学シーズンが迫る中、早くも来春の小学1年生を対象にしたランドセル商戦が静岡県内で熱を帯びている。性別にとらわれないジェンダーレス商品が定着し、子どもの好みは多様化している。メーカーや小売店は豊富な色の取りそろえや機能性を掲げ、保護者に提案を進める。
 今年創業75年を迎える老舗かばん販売の池田屋(静岡市葵区)には1月末の販売開始以降、多くの家族連れが来店し、現物を手に感触や色味を確かめる姿が見られる。女子はラベンダーやミントなどパステル系で淡く優しい色が支持を集める一方、男子に1番人気の黒系を選ぶケースも増えているという。池田将人常務は「ランドセル本体とステッチ、ふちなど好きな色の組み合わせは最大で千通り以上。親子で楽しみながら選んでほしい」と話す。
 色や装飾に目が行きがちな児童に対し、保護者に機能性をアピールするのはセイバン(兵庫県)。3月初旬に静岡市駿河区で開催した販売会では、ランドセルの前ポケット部分を取り外せる新商品「3ウェイ シュシュ」を披露した。サコッシュ型とポシェット型の2種類のポケットを好みに応じて着脱でき、取り外して専用ストラップを付けることで日常使いにも対応する。販売会を訪れた同市清水区の小沢沙希さん(34)は「成長に伴い好みも変わるので、多様な使い方ができるのはうれしい」と話した。
 静岡伊勢丹(同市葵区)は、例年は4月に入ってから展開する売り場を業界の動向に合わせ3月中旬から前倒しで設けた。漁網のリサイクル素材で作られたランドセルリュックや服飾ブランドとコラボした高価格商品を前面に、他店との差別化を図る。
■平均購入額右肩上がり 24年、5万9138円
 ランドセル工業会(本部・東京都)によると、2024年のランドセル購入で最も多かった金額帯は6万5000円以上だった。平均購入額は5万9138円で、19年から約7000円増えるなど年々右肩上がり。25年は使用部材や人件費の高騰もあって24年を上回るとみられる。購入者の半数以上を祖父母が占め、金額より児童の好みを優先した購入傾向が強いという。
 購入時期のピークは、新型コロナウイルス禍以前は親族が集まりやすい8月だったが、インターネットによる事前の情報収集が一般化し、近年は5月の大型連休前後に早期化している。
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