陸自に「無人アセット防衛能力推進室」新設 ドローンなど活用へ
陸上自衛隊は、ドローンなどの無人アセット(装備品)の活用に向け、「無人アセット防衛能力推進室」と「無人装備室」を新設した。推進室は7人体制で運用構想や研究開発などを、装備室は6人体制で機体の調達や補給、整備などをそれぞれ担う。新設は8日付。
無人アセット防衛能力は、安全保障関連3文書で掲げられた防衛力強化7本柱の一つ。防衛省は2027年度までの5年間で約1兆円を投じ、無人航空機(UAV)や無人水上艇(USV)などを、陸海空自衛隊に数千機調達する計画を進めている。
13日は防衛省で新編行事があり、小泉進次郎防衛相が「無人アセットをどのように駆使し、我が国の防衛を全うするのか。将来の戦い方を構想し、実現することこそ皆さんの任務だ」と訓示。初代推進室長の小林憲治・1等陸佐と初代装備室長の藤原英之・1等陸佐に看板を授与した。
ドローンなどの無人アセットは比較的安価で短期間に大量投入できることから、高価な装備品との「非対称戦」で優位とされるほか、遠隔操作や自律制御のため危険な状況下や長時間連続での運用が可能で、人的消耗を抑える利点もある。
ロシアによるウクライナ侵攻など、近年は国際紛争で大量の無人機が投入されており、22年12月に閣議決定された国家防衛戦略には、AI(人工知能)や有人装備と組み合わせることで「部隊の構造や戦い方を根本的に一変させるゲームチェンジャーとなり得る」と明記。防衛省は「新しい戦い方」への対応として、無人機を大量に活用して沿岸防衛を強化する「SHIELD(シールド)」構想などを進めている。
陸自は今年2月、近距離の歩兵部隊などを攻撃する「自爆型」の無人機を落札。軽装甲車両や艦艇への中遠距離攻撃を想定した無人機も導入する予定だ。
自衛隊が無人機導入を急ぐ背景には、人手不足もあるとみられる。陸海空自の定員計24万7154人に対する充足率は24年度末に89・1%で、25年ぶりに9割を切った。特に陸自は87・7%と陸海空自で唯一、9割を切るなど、なり手不足が顕著。人口減少に伴い自衛隊の募集対象人口は45年度に、24年度末比約3割減の約1277万人まで落ち込むとの試算もあり、無人機の活用は省人化を図る効果も期待されている。【宮城裕也】
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