高市首相に期待する「FOIP構想」の進化 元駐米大使に聞く展望
◇外交・安保で問われる高市首相の指導力
◇杉山晋輔・元駐米大使
高市政権は衆院選で歴史的な勝利をし、戦後初めて自民党単独で3分の2以上の議席を取った。対外政策の企画・立案・実施には国内の盤石な政治基盤が影響するだけに、難しい外交・安全保障環境で首相の指導力を十分発揮できることが重要だ。
「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想は、10年前に安倍晋三元首相が提唱し、その後に岸田文雄元首相が深めた。今、高市早苗首相が懸案の経済安保を重視した形で、新たにFOIPに肉付けをするのは時宜にかなっている。
トランプ米大統領は第1次政権の当初、「FOIPって何だ」「なぜ非同盟国を含めた日米豪印連携なのか」と考えていた様子だったが、安倍氏が何度も伝えるうちに、あたかも自分の概念であるかのようにその重要性を言うようになった。日本発のアイデアが非伝統的なスタイルのトランプ氏の心に刺さることは極めて意義がある。それだけに、高市首相が3月に訪米する際、一歩も二歩も進めたFOIPを前面に打ち出し、旗を立てることを期待する。
中国は極めて重要な隣国で、トランプ氏が中国とディール(取引)を考える時に、日本は封じ込めでなく関与する方針を示すことが大事だ。日米韓や日米豪印には民主主義の共通基盤がある。中国は不透明な形で軍事力を強化し、北朝鮮、ロシアの安全保障の懸念も深刻だが、いわば便宜上接近する中朝露とは比べようもない。【聞き手・田所柳子】
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