茨城・東海村長、4選後初の会見「再稼働は必要。丁寧に進めていく」

2025/09/26 21:55 

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 7日投開票の茨城県東海村長選で4選を果たした山田修村長は26日、村役場で当選後初めて記者会見を行った。山田氏は村内に立地する日本原子力発電東海第2原発の再稼働を初めて表明し当選したが、投票率は過去最低だった。「選挙の結果が全てと言うつもりはない」と語り、再稼働について住民の合意を得られたとは考えていないという認識を示した。

 村長選は原発再稼働の是非が争点の一つとなった。山田氏と新人2人で争われ、山田氏は得票率73%で1万票以上を獲得し、圧勝した。

 山田氏は会見で「これまでの村政を評価していただいた票」と総括。東海第2について「雇用や経済において村民の生活に広く関わっているのは間違いない。再稼働は必要。これからも丁寧に進めていく」と述べた。

 再稼働に必要な対策工事が2026年12月まで終了しない見込みのため、再稼働を判断する時期については明言しなかった。一方で、村として避難計画の周知が必要とした上で、「理解してもらうための防災訓練など、(任期の)4年間できちんとやる」と話した。

 再稼働には県と村のほか、水戸市など周辺5市の「実質的な事前了解」が必要となる。山田氏は5市の首長と作る「原子力所在地域首長懇談会」で座長を務めており、「(他の)首長の意見を聞きながら進めていく」と従来と同様の説明をした。

 東海第2では22年9月以降、敷地内で火災が相次いでいる。山田氏は「(原電は)住民の信頼を得ることが必要」と指摘。原電や原発事業に関わる協力会社に対して「安全を何よりも最優先する。そういう意識を定着させることを求めたい」と注文した。【井手一樹】

毎日新聞

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