小林鷹之氏「時限的な減税を」 総裁選出馬会見、世代交代も訴え

2025/09/16 20:28 

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 自民党の小林鷹之元経済安全保障担当相(50)は16日、国会内で記者会見し、石破茂首相の退陣表明に伴う党総裁選(22日告示、10月4日投開票)への立候補を正式に表明した。若者・現役世代を対象とした時限的な定率減税や防衛費の引き上げ、外国人政策の厳格化などを公約に盛り込んだ。「今回が自民党にとって最後の総裁選になるかもしれない」と危機感を示し、世代交代を訴えた。

 小林氏は2024年9月に続き2回目の出馬。前回は「脱派閥選挙」を掲げたが党員票の広がりを欠き、候補者9人中5位に終わった。今回も「派閥にとらわれない」との方針を堅持した。

 会見で小林氏は「若者や働く世代を応援するために、まずは期限を区切った定率減税を実行する」と訴え、分厚い中間層を支えていけるような新たな所得税のあり方を検討し、1年ほどかけて結論を得るとした。

 防衛費について、政府は27年度までに国内総生産(GDP)の2%に引き上げる方針だが、小林氏は「到底足りない。国家安全保障戦略を早急に改定して、必要な額は積み増す」と強調した。

 外資による企業・土地買収への規制強化や、再生可能エネルギーを含めたエネルギー政策の見直しなども訴えた。

 小林氏は16日夜にBS番組に出演し、時限的な定率減税の期間について「約2年間をイメージしている」と語った。

 一方、林芳正官房長官(64)も16日、総裁選に立候補する考えを明らかにした。林氏は「石破首相を私なりに一生懸命お支えしてきたつもりだが、退任されるということで非常に申し訳ない、残念な気持ちだ」とした上で「(首相の)気持ちを受け継いでしっかりと党をリードし、この国のかじをとっていきたいと決断を固めた」と述べた。国会内で記者団に語った。

 林氏は岸田文雄政権に続いて石破政権でも官房長官を務め、両政権の路線を継承すると強調。推薦人の確保状況については「前回は旧岸田派の皆さんを中心に戦った。この1年でいろんなご縁も深まり、旧岸田派以外の方からも支援の声を頂いている。しっかり調整したい」とした。

 また、総裁選に出馬する小泉進次郎農相(44)は16日の会見で、陣営の選対本部長に加藤勝信財務相を起用すると明らかにした。加藤氏は前回総裁選に立候補したが、今回は出馬を見送る。経験豊かな実力者を陣営幹部に迎えることで、国会議員の支持拡大を図る狙いがありそうだ。

 小泉氏は「加藤氏にお受けいただき、大変力強く思っている」と語った。加藤氏は党内に一定の支持基盤を持ち、小泉氏の後ろ盾である菅義偉元首相とも近い。【野間口陽、竹内望、内田帆ノ佳】

毎日新聞

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