小泉氏が自民総裁選出馬の意向固める 来週に正式表明、5人の争いか

2025/09/12 20:25 

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 自民党の小泉進次郎農相(44)は、石破茂首相の退陣表明に伴う総裁選(22日告示、10月4日投開票)に出馬する意向を固めた。13日に地元・神奈川県横須賀市の会合で説明した上で、来週に記者会見を開き正式表明する方向で調整している。自民関係者が12日明らかにした。

 これを受け、総裁選は小泉氏に加え、小林鷹之元経済安全保障担当相(50)▽林芳正官房長官(64)▽高市早苗前経済安保担当相(64)▽茂木敏充前幹事長(69)――の計5人で争われる公算が大きくなった。既に出馬会見した茂木氏を除く4人は来週、相次いで会見を開く見通しだ。

 加藤勝信財務相(69)と上川陽子前外相(72)にも立候補を模索する動きがあるが、20人の推薦人集めは難航している。党幹部は「もうこれ以上は出馬表明はないだろう」との見通しを示した。

 小泉氏は2009年の衆院選で初当選し、現在6期目。初出馬だった昨秋の総裁選では解雇規制の見直しや選択的夫婦別姓の実現などを掲げた。しかし、党員票が伸び悩み、国会議員票を含めた得票数は9人中3位となり、決選投票に進めなかった。

 2度目の挑戦となる今回も党員投票を含む「フルスペック型」での実施が決まり、党員の支持を広げられるかが勝敗を分けそうだ。

 衆参両院で少数与党に転落し、連立枠組みの拡大など安定政権のあり方が争点となる。小泉氏は日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)と関係が近く、総裁選レースでの強みの一つになりそうだ。

 前回総裁選後は党選対委員長に就任したが、昨年10月の衆院選大敗を受けて辞任した。今年5月にコメを巡る失言で江藤拓前農相が更迭されると、後任として緊急登板。「コメ担当相」を自称し、早期の備蓄米放出などで注目を集めた。

 小泉氏は12日の記者会見で、出馬の意向について問われると「政治家のよって立つところは地元だ。重要な判断をする時、地元の皆さんの声を伺いながら最終的に判断をしていきたい」と語った。

 同日夜に出演したBS―TBSの番組では「政治は何が起きるか分からない。その時その時に、自分が与えられた役割を果たしていく中で次が見えてくる」と発言。「何とか政治を前に進める姿を国民に届けなければ、政治自体の信頼が失墜してしまう。政治を前に動かすには、野党と協力しなければできない」と述べ、野党との関係構築にも意欲を示した。

 一方、小林氏は12日、首相官邸で石破茂首相と面会し、総裁選に出馬表明したことを報告した。面会後、記者団に「首相から総裁選の重みと首相としての重責についてさまざまな話を伺った。国家、国民のために体を張ってリーダーシップを発揮してきた首相に敬意を感じた」と語った。【内田帆ノ佳、高橋祐貴、大野航太郎】

毎日新聞

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