「再起」期す旧安倍派 4人衆が意見交換 風当たり、まだ強く

2025/07/24 20:45 

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 自民党で最大派閥だった旧安倍派が巻き返しを期して動き始めた。派閥裏金事件を受け、昨年の衆院選では党執行部から非公認などのペナルティーを科され、落選者が相次いだ。石破茂政権で非主流派に転落したが、石破首相が8月末までに退陣表明する見通しとなり、次の総裁選で「再起」を目指す。ただ、党内からは依然厳しい目を向けられており、かつてのように結束できるかは未知数だ。

 「これからも折を見て集まり、意見交換しよう」

 23日昼、東京・赤坂の中華料理店に萩生田光一元政調会長、松野博一前官房長官、西村康稔元経済産業相、世耕弘成前党参院幹事長が集まった。かつて「安倍派5人衆」と呼ばれた元派閥幹部4人は麺料理などを食べながら、今後の政局を巡り意見交換した。

 会合は世耕氏が呼びかけた。首相の退陣は避けられず、近く党総裁選が行われるという認識で一致したが、具体的な総裁候補の名前は挙がらなかったという。会合は30分ほどで終わった。

 旧安倍派には石破氏や現執行部から「徹底的に干された」(閣僚経験者)との不満が残る。旧幹部らは4月までに党員資格停止や党役職停止の処分が満了したが、政府や党の要職から遠のいたままだ。離党し無所属として衆院選で当選した世耕氏も自民会派入りしたが、復党できていない。

 今回の参院選でも現職ら4人が落選した。だが、衆参合わせればいまだに50人以上の議員数があり、唯一派閥として存続する麻生派に匹敵する。ある程度まとまれば影響力を発揮できる。

 ただ、総裁選で特定の候補の支持で一本化できる見通しは立たない。すでに高市早苗前経済安全保障担当相や小林鷹之元経済安全保障担当相、小泉進次郎農相を、それぞれ推す動きが出ている。24日には西村氏が高市氏と会談した。旧派閥関係者は「中堅若手は自分たちが主導権を握りたい。まとまるのは難しいだろう」と指摘する。

 今回の参院選でも自民への逆風が続き、「裏金で問題を起こした安倍派が現政権を批判すべきでない」(改選議員)との声もある。24日の会合出席者の一人は、いまだに風当たりが強いことは認めつつ、「いつまでも責任を負わせられるのはおかしい。次の総裁選では非主流派になることだけは避けなくてはならない」と話した。【遠藤修平】

毎日新聞

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