大敗の参院選は「最後通牒」 自民内で石破首相の退陣表明に圧力

2025/07/25 19:17 

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 石破茂首相に対して、早期に退陣を表明するよう求める動きが自民党内で広がっている。党青年局は25日、緊急の申し入れ書を森山裕幹事長に提出し、首相ら党執行部に対して早期に責任を取るよう要求した。

 青年局の申し入れ書は、惨敗した参院選について「国民からの最後通牒(つうちょう)とも言える強いメッセージ」と指摘。首相や党執行部に対して、昨秋の衆院選、6月の都議選、参院選と3連敗したことを踏まえ「責任を重く認識すべきだ」と強調した。8月にまとめる方針の参院選の総括を「速やかに行った上で、自ら責任を取ることを求める」と明記した。

 中曽根康隆・青年局長は森山幹事長に申し入れを提出後、記者団に「解党的な危機だ。これを機に自民党が本当に変われるかが一番のポイントだ」と語った。森山氏は「自民党は皆が思ったことを発言できる党だ。しっかりと受け止める」と応じたという。

 また自民の笹川博義衆院議員は25日、首相の責任を追及する両院議員総会を巡り、「開催に必要な党所属国会議員3分の1以上の署名が集まった」と記者団に述べた。

 参院選での大敗を受け、執行部は党内の意見を聞く両院議員懇談会を28日に開催する。だが、非公式扱いの懇談会に議決権はない。党内には反発が広がり、総会開催を求める署名活動が活発化していた。

 両院議員総会であれば重要事項を決定でき、党所属国会議員と都道府県連代表の過半数から要求があった場合には総裁選の前倒しを決定できる。

 総会の開催を求める署名について、笹川氏は28日まで提出せず、同日の懇談会における首相の説明を踏まえ、提出時期を判断するとの考えを示した。提出された場合は、7日以内に総会を招集することが求められる。

 一方、25日に国会内であった日米関税交渉の合意を受けた与野党党首会談で、国民民主党の玉木雄一郎代表は首相にいつまで続けるのかと質問した。これに対し、首相は「進退に関わることは言っていない」と述べ、明言しなかった。立憲民主党の野田佳彦代表は、内閣不信任決議案の提出について、記者団に「まだ気が早い。自民党内の動きなどをよく注視していきたい」と述べた。【野間口陽、森口沙織】

毎日新聞

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