伊東市長の学歴詐称疑惑 百条委、「卒業証書」提出と出頭再要請へ

2025/07/25 19:10 

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 静岡県伊東市の田久保真紀市長の学歴詐称疑惑を調べる市議会の調査特別委員会(百条委員会)が25日開かれ、田久保市長が卒業証書とされる書類の提出を拒否した理由が「十分に説明されていない」とする市顧問弁護士の見解が示された。田久保市長は同日の証人出頭の要請を拒否しており、この妥当性も精査した上で、市長には再度、書類の提出と出頭を要請する。

 市顧問弁護士は、市長が憲法が保障する黙秘権を盾に書類提出を拒否したことに一定の理解を示した。しかし、公職選挙法違反容疑で刑事告発されたため「卒業証書」を提出できないとする市長の主張は、「当該書類を提出するとなぜ公選法違反で刑事訴追される可能性があるのか、十分に説明されていない」と指摘した。

 これを踏まえ、井戸清司・百条委委員長は地方自治法の「正当な理由」に該当するかは「直ちに認めがたい」と述べた。

 来週にも開催予定の次回の百条委には、大規模太陽光発電所(メガソーラー)建設反対運動で田久保市長と活動した関係者を証人に呼ぶことを決めた。この関係者は過去に田久保氏から「大学は卒業していない」と聞いたとされる。

 中島弘道市議会議長は「(本来は)来年度に向けて予算を考える時期。市政が空転している。市長には早く辞職をしてもらいたい」と話した。

 また、市職員労働組合連合会は同日、苦情対応などで市職員に過度の負担がかかっていると市長に申し入れた。

 市によると25日までに電話約1810件、メール約780件の意見が市に寄せられ、9割ほどが市長への苦情だった。田久保市長は個人の窓口を開設する準備を進めていると回答したという。【若井耕司】

毎日新聞

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