「参政党候補が虚偽投稿」 共産党が抗議、神奈川県警に被害相談

2025/07/16 20:20 

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 参院選神奈川選挙区の参政党候補、初鹿野裕樹氏から交流サイト(SNS)上の投稿で事実に基づかない中傷を受けたとして、共産党神奈川県委員会は16日、「直ちに撤回と謝罪を求める」と陣営側に抗議していることを明らかにした。名誉毀損(きそん)や公職選挙法違反(虚偽事項公表)にあたるとして刑事告訴することも視野に、県警に被害相談をしている。

 元警察官の初鹿野氏は7日、自身のX(ツイッター)で「たくさんの仲間が共産党員により殺害され、殺害方法も残虐であり、いまだに恐怖心が拭えません」などと投稿した。これに対し、党県委員会は「前後の発信から『仲間』は警察官だと推察されるが、日本共産党がたくさんの警察官を殺害した事実はない。虚偽の事項で党の名誉が著しくおとしめられた」と主張している。

 党県委員会は8日に発言の撤回を求める抗議文を初鹿野氏の陣営にメールなどで送った。16日時点で回答はないという。

 県庁で記者会見した藤原正明・党県委員長は「虚偽の情報発信は有権者の投票行為にも影響が大きく、選挙の自由があっても許されるものではない」と指摘した。

 初鹿野氏は別の投稿で、札幌市で警察官が共産党員に射殺された「白鳥事件」(1952年)などを例示した。16日に毎日新聞の取材に応じ、自らの投稿について「歴史の事実に基づいている。別に何ら臆することはない。(謝罪や撤回は)必要ない」と話した。

 一方、党県委員会側は「当時は党が分裂していた。武装路線を正規の方針に掲げたことはない。今の党と結びつけるのは不当だ」としている。【矢野大輝】

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