議論好き奏功?石破首相、G7サミットデビュー 「気まずさ」指摘も

2025/06/17 18:39 

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 石破茂首相はカナダ西部カナナスキスで16日(日本時間17日)開幕した主要7カ国首脳会議(G7サミット)に初参加した。政府内からは、石破首相の「議論好き」な一面が、首脳間で突っ込んだ議論が展開されるサミットに「マッチしていた」との評価が出た一方、サミット独特の雰囲気に溶け込む難しさを指摘する声も上がった。

 15日夕、カナダ西部のカルガリー国際空港に到着した首相は、妻佳子さんと仲良く手をつないで政府専用機のタラップを降りた。迎えの車に佳子さんが一足先に乗り込むと、首相は「置いていかれるところだった」と冗談を飛ばした。

 16日開かれた山火事などに関するセッションで、首相は「日本でも乾燥や強風で山火事がより頻繁かつ大規模に発生している。固定翼機による消火能力強化を含む消火体制を検討している」などと取り組みを詳細に説明。各国の首脳も聴き入っていたという。

 ただ、今回は多国間の枠組みを敬遠するトランプ米大統領との向き合い方や、イスラエルとイランの衝突など難しい問題が多く、その分、会合前の首脳同士による「作戦会議」が重要になる。

 セッション開始時にはマクロン仏大統領やメローニ伊首相、スターマー英首相らが立ったまま、小声で隣の首脳と込み入った話をする場面があったが、その傍らで、石破首相が通訳のイヤホンを耳に、早々に着席する様子も見られた。

 今回のサミットは、議長を務めるカナダのカーニー首相ら5首脳が初参加だったが、外務省関係者はサミット独特の難しさについて「日本以外全員が欧米の首脳で、文化やジョークも違う。長年の友達たちの中に初対面の人間が入るような気まずさがどうしてもある」と指摘した。【カナナスキス田所柳子】

毎日新聞

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