東京都議選が告示、22日投開票 物価高対策など争点 各党総力戦

2025/06/13 08:45 

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 任期満了に伴う東京都議選(定数127)は13日告示され、22日の投開票に向けた首都決戦が始まった。物価高対策をはじめ、自民党会派の裏金事件、子育て支援などが争点となる。来月に見込まれる参院選の前哨戦と位置づけられ、各党は幹部らを投入し、総力戦で臨む構え。

 前回選で4年ぶりに第1会派となった自民は、会派政治資金パーティーでの裏金作りを巡って1月に会計担当職員が政治資金規正法違反(虚偽記載)で東京地検特捜部に略式起訴され、逆風の中での選挙となる。「一定の職責を持っていた」として会派幹事長経験者6人を非公認にしたが、6人や選挙区事情により無所属で出る会派所属現職1人も含めた自民系で第1会派を維持できるかが焦点だ。

 小池百合子都知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」は、都民からの人気が高い小池氏の応援を受ける。会派所属で推薦する無所属を含めて、前回選で譲った第1会派への返り咲きを狙う。

 公明党は現有議席から1減の22人を公認した上で、9回連続となる全員当選を目指す。前回選では自民と選挙協力をしたが、裏金事件を受けて今回は都本部が自民への推薦を見送った。

 現在の都議会では単独で突出した勢力がなく、自民、都民フ、公明の3会派が過半数を占め小池氏を支えている。都が5月に発表した水道基本料金の4カ月無償化では、3会派の要望を受けて小池氏が今夏の実施を発表する演出がされた。

 初議席を狙う国民民主党は昨年の衆院選で都民フの協力を受け、今回もおおむね選挙区を調整している。衆院選で躍進した国民民主が前回都議選の4人から大幅に擁立を増やしたため一部で不協和音が漂うが、玉木雄一郎代表は小池氏と近い。国民民主を含む4党派で過半数を握るかも、小池都政の安定性を測る一つの目安となりそうだ。

 昨夏の都知事選で元立憲民主党参院議員の蓮舫氏を支援した共産党と立憲は、小池氏に対抗する勢力として議席増をうかがう。3人区以下の選挙区を中心に候補者を一本化するなど調整し、一部では互いに支援する。

 また、都知事選で小池氏に次ぐ約166万票を獲得した石丸伸二・前広島県安芸高田市長が設立した地域政党「再生の道」が、旋風を再現し初の議席を得るかにも注目が集まる。

 12日現在の選挙人名簿登録者数は、都議選では過去最多となる1155万1505人。【柳澤一男、加藤昌平】

毎日新聞

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