私的情報漏えい、停職3カ月は「軽い」の声 兵庫県の処分判断基準は
斎藤元彦知事らの疑惑を告発した元県西播磨県民局長(故人)の私的情報が漏えいした問題で、県は県議3人に漏えいしたとして元県総務部長の井ノ本知明氏(57)を停職3カ月の懲戒処分とした。県の情報管理の責任者による漏えいという異例の事態だが、どのような理由で処分の重さが決められたのか。判断の背景を探った。
「えっ、軽いなあ」。ある県幹部は元県総務部長の懲戒処分が停職3カ月と聞いて驚いた。県議への漏えいでは調査した県議会調査特別委員会(百条委)が報告書で「『告発者潰し』があったと言われかねない」と批判し、刑事告発を含めた厳正な対応を求めていた。
県によると、懲戒処分で停職は免職に次いで重く、期間は1、3、6カ月の3段階で決められる。県の懲戒処分の指針では、秘密漏えいは免職または停職。対象者が管理・監督する地位にあるなど職責が高いと処分を重くする場合がある。
県は27日に元県総務部長を停職3カ月の懲戒処分とすると発表。記者会見では理由の一つに、漏えいの方法を挙げた。紙の資料を県議に渡しておらず、口頭で抽象的に私的情報を述べたにとどまったとする。
もう一つが、調査にあたった県の第三者委員会が、斎藤氏らの指示で漏えいが行われた可能性が高いと判断したことだ。斎藤氏は指示を否定しており、県は指示があったとまでは認定しない一方で、斎藤氏の指示だと井ノ本氏が受け止めて実行していると判断したという。指針には自己の不正な利益を図る目的での秘密漏えいは免職との規定があるが、「井ノ本氏はこれには当たらない」(人事課幹部)とした。
地方公務員法(守秘義務)違反の疑いでの刑事告発も見送った。懲戒処分で社会的制裁を受けているとした。
ただ、複数の関係者によると、23日にあった元県総務部長の処分内容を決める県綱紀委員会は約2時間にわたって議論が続いた。人事課から停職3カ月の処分案が示されたが、その理由や処分の軽重の是非を問う意見が相次いだという。
県議会にも県の懲戒処分の対応を疑問視する声もある。ある県議は「停職3カ月はかなり軽い。まともに判断すればもっと重い処分となるはずだ。刑事告発は絶対にしないといけない。議会内では動きが始まっている」と指摘した。
一方、元県総務部長は代理人を通じて「業務行為が漏えいと評価され、誠に残念。(処分の)審査請求の申し立てを行い、正当性を主張したい」とするコメントを公表している。【稲生陽、山田麻未、栗田亨】
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