政府、骨太の方針原案に「コメ価格落ち着かせる」 水田政策見直しも

2025/05/28 21:43 

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 政府の経済財政運営の指針「骨太の方針」の原案が28日、明らかになった。価格高騰が続くコメについて「上昇したコメ価格を落ち着かせるため、政府備蓄米の流通の円滑化や消費者への丁寧な情報発信を含めた総合的対策を進める」と明記した。価格引き下げに向け、政府は随意契約による政府備蓄米の放出にかじを切るなどしており、対策を加速させる方針を盛り込む。また、水田政策の見直しについても明記する方向で調整を進める。

 政府は今後、与党との調整を経て、6月13日に骨太の方針の閣議決定を目指す。

 原案では、農林水産業の持続的な成長のために農業者が意欲を持って営農できる環境整備が重要だと指摘。そのうえで「生産性の向上を通じた食料の安定供給が確保されるよう、水田政策の見直しの具体化を進める」と明記した。

 海外など新市場向けのコメや米粉用のコメの生産拡大、有機・減農薬減肥料の推進に取り組むほか、農地の集約化のための支援制度の見直しや強化に取り組むとした。

 ただ、与党との調整は難航する可能性もある。自民党の農林水産族にとってコメは「聖域」で、7月の参院選前に農政改革を強く打ち出すことによる影響を懸念する声もある。【高田奈実、横山三加子】

毎日新聞

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