「辞任は当然」 江藤氏の地元も憤り 「宮崎弁的」釈明にも…
市民感覚からかけ離れた発言は軽口では済まされなかった。コメ不足を巡る騒動が冷めやらぬなか、「コメは買ったことない」「売るほどある」などと発言し批判を浴びた江藤拓農相=衆院宮崎2区=が21日、更迭された。担当閣僚の思慮を欠く舌禍に、市民や農家らはあきれ、憤った。
「コメの高騰で多くの人が困っているご時世に、あんな不適切な発言が出てくるのに驚いた。地域の実情を本当に分かっているのか」。江藤氏の地元の宮崎県延岡市で江藤氏を支持してきたという会社員男性(27)は厳しく指摘した。
江藤氏が「宮崎ではたくさんいただくと『売るほどある』とよく言う。宮崎弁的な言い方でもあった」と釈明したことには「宮崎弁ではなく普通の言葉だ。少しでも罪を軽くしたかったのでは。宮崎県民の前で話せるのか」と突き放した。
同県美郷町で稲作農家を営む男性(75)は「『コメを買ったことがない』などとは世間知らずな発言。農業県の宮崎選出の大臣として残念な対応で、辞任は当然だ」と声を強めた。
江藤氏の辞任後、同県日向市の後援会事務所で取材に応じた後援会の壱岐良文事務局長(70)は「支持者からお叱りの電話が多い」と言葉少なに話した。
◇「農政通」も、自民県議から厳しい声
江藤氏は総務庁長官などを歴任した自民党の江藤隆美元衆院議員(2007年死去)の地盤を継いだ2世議員だ。03年に初当選して以来、連続8期目。自民党農林部会長や農相を歴任した農政通として知られる。
更迭劇につながった18日の発言の前日には、宮崎県都城市であった講演会で農政について「一生懸命やります。私には他に能がないんで、酒も飲みませんし。農政に私の人生のすべてをかけています」と熱弁をふるっていた。
ただ、今回の失言には身内からも厳しい声が出た。ある自民県議は「あまりに軽率な発言。政治家の務めである国民生活の安心安全の確保で、特に食は根幹であり、国民感情に寄り添えなかったということだ。辞任する以外に選択はなかったのだろう」と話す。
選挙区で江藤氏を支える自民県議は「真面目に勉強している政治家だが、昔より丸くなったとはいえ気の短い面はあった。コメの価格高騰に対し、消費者が買いやすい価格にもっていく途中で、こうなったのは残念だ」と肩を落とした。
江藤氏は辞表提出後の記者団の取材に「参院選にも決して良い影響を与えない」として県連会長を退任する考えを示した。党派閥裏金事件など相次ぐ不祥事で自民に逆風が続く現状に、県連幹部は「どう立て直していくか、道筋はまったく見えない」とこぼした。【重春次男、下薗和仁】
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