高校無償化 自公が維新に私立の支給額引き上げ提示 所得制限撤廃も

2025/02/13 13:59 

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 高校授業料の無償化を巡り、自民、公明両党が2026年度から私立向けの就学支援金制度の所得制限を全国で撤廃し、支給額の上限を現行の年39万6000円から引き上げる考えを日本維新の会に伝えたことが判明した。維新は現時点で受け入れておらず、交渉が続いている。

 自公維の政調会長と実務者は12日に国会内でそれぞれ会談した。与党関係者によると、私立の全国平均授業料を勘案した年39万6000円が支給される「年収590万円未満」の所得制限について、「26年度から撤廃する方向で調整したい」との考えを提示した。支給額も「上げる方向」との意向を伝えたという。

 自公は既に、公立に関しては25年度から「年収910万円未満」の所得制限を撤廃し、公立・私立を問わず、公立の授業料に相当する年11万8800円を一律支給する案を提示している。これに加えて更に譲歩した形だ。

 自公では、維新が求める私立の支給額引き上げや小中学校の給食無償化について、政府に有識者会議を設置する案が浮上している。維新は26年度以降の手順や財源などを定めたプログラム法の制定も求めており、検討が続いている。

 維新は25年度予算案に賛成する条件として、教育無償化と社会保障改革の実現を要求。私立の高校授業料無償化に関しては就学支援金の支給額の上限を年63万円に引き上げ、開始時期を25年度に前倒しすることを求めている。

 前原誠司共同代表は「来週の中ごろには予算の賛否は決めなくてはいけない」と述べており、近く最終判断する考えだ。【野間口陽、高橋祐貴、田中裕之】

毎日新聞

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