次期英首相本命のバーナム氏、地方分権拠点「北の官邸」を計画
英国の次期首相となる見込みのアンディ・バーナム下院議員(労働党)が29日、市長を務めていた中部マンチェスターで演説した。首相に就任した場合、首相官邸(通称「No.10」)の機能を一部移転する「No.10 North」(北の首相官邸)をマンチェスターに設け、地方分権政策の拠点とする計画を明らかにした。
「北の官邸」は、ロンドンなどの大都市と地方の生活水準の格差解消を目指し、水道、エネルギー、交通などの公共サービスの公的管理の強化や再工業化について、各地域を支援する。
特に住宅不足や家賃高騰への対策に最優先で取り組み、戦後最大規模の公営住宅建設計画を北の官邸が監督するという。
◇「英国全体に権限と資源を再分配」
バーナム氏は「英国は世界でも最も中央集権的な国の一つ。中央政府と地方自治体の間の著しい資源の不均衡が成長の足かせになっている」と指摘。北の官邸が政府と地方の調整機関となり、「英国全体に権限と資源を再分配する」と強調した。
また、これらの政策は「健全な財政がもたらす安定性と現行の財政ルールによって支えられる」と述べ、財政規律を重視してきたスターマー現政権の路線を踏襲することも表明した。北の官邸の人員など具体像の説明はなかった。
22日にスターマー首相が辞任を表明してから初の本格的な演説で、バーナム氏は地方再生に力点を置いた。地方を中心に右派ポピュリスト政党「リフォームUK」に支持者を奪われている状況も意識したとみられる。一方で、具体的な経済政策や外交には触れなかった。
スターマー氏の後任を決める労働党党首選の立候補受け付けは7月9日から始まる。現状では党内で支持が広がるバーナム氏以外に候補者は出ないとみられ、同17日にバーナム氏が無投票で党首に選出され、20日に首相に就任する公算が大きい。【ロンドン福永方人】
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