ルーマニアにドローン墜落、NATOと防衛強化へ ロシアと応酬
ルーマニア東部でロシアの無人航空機(ドローン)が墜落した問題を受け、ルーマニアのダン大統領は29日、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長と電話協議した。両者は防衛強化に取り組むことで一致した。
ドローンは10階建て集合住宅の屋上に墜落し、2人がけがをした。ルッテ氏はダン氏との電話協議後、X(ツイッター)で「全ての脅威に対する抑止力と防衛力を高め続ける」と表明した。
独DPA通信によると、ルーマニア政府はNATOに対し、対ドローン防衛設備の移転を早めるよう要請。NATOは承諾したという。
また、ルーマニア政府は29日、同国東部コンスタンツァのロシア総領事館を閉鎖すると発表した。総領事を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定し、国外退去処分とする方針だ。
ドローン墜落を巡っては、ダン氏は29日、地元メディアに対し、ロシア製であるとの見方を改めて示した。ウクライナを攻撃中のドローン群のうち1機が迎撃され、進路が変わった可能性があるという。一方、ロシア外務省のザハロワ情報局長は「これらの言いがかりは根拠がなく、全く事実ではない」と述べ、ロシアの関与を否定した。
ウクライナ周辺国でのドローン迎撃の難しさが改めて浮き彫りになっている。
ルーマニアではドローンの飛来が確認された後、迎撃を許可されたF16戦闘機が出動した。ドローンは約4分間、10キロにわたり領空を飛行したが、撃墜されなかった。
DPA通信などによると、ルーマニアのミルタ国防相は「住宅地の上空で撃墜すれば、墜落するよりもさらに人命への危険が大きくなる可能性があった」と述べ、安全上の理由から断念したと述べた。頻発するロシアのドローンによる領空侵犯に対処するため、米国製迎撃ドローンも配備されているが、同様の理由で使えなかったという。【ベルリン五十嵐朋子】
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