ホルムズ海峡の「開放」、実態は条件付き イラン、支配力を強調
イランの軍事当局は18日、原油輸送の要衝ホルムズ海峡について、以前の状態に戻り、厳格な管理・統制下に置かれたと表明した。アラグチ外相は17日に「全面的に開放する」と表明したものの条件付きで、米国が求めてきた「完全な開放」とは異なる。イランの港湾に出入りする船舶を対象とした米軍の「海上封鎖」も継続しており、周辺海域では緊張が続いている。
「(海峡開放に伴う)新たな措置は、世界の石油の約5分の1が通過するこの海路がイランの支配下にあることを示している」。イラン国営英語放送局プレスTVは17日、海峡の「開放」をこう報じ、イランの「支配力」をアピールした。
イランメディアによると、今回の「開放」の対象となるのは民間の商船に限られ、軍艦は海峡の航行は認められない。商船も航行には事前に精鋭軍事組織・イラン革命防衛隊海軍の許可が必要で、指定された航路を通過しなければならないという。米国との交渉に関わるイランの国会議員は「商船の通過は料金を支払った場合に限られる」と述べ、イランが「通航料」の徴収を続けるとの見通しも明らかにした。
「指定された航路」とは、8日に革命防衛隊が公表した二つの代替航路を指すとみられる。従来の主要航路は機雷が敷設された可能性のある「危険海域」とされ、ペルシャ湾に向かう船舶はイランのララク島の北側、逆方向に向かう船舶は同島の南側を通るルートが示されている。
報道によると、イランは米国との2週間の停戦で合意した後、自国の管理下で一定数の船舶の通過を認める方針だったという。しかし、8日にイスラエルがレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラに対して大規模攻撃を仕掛けたため、「再封鎖」を宣言していた。
イランが再び海峡の「開放」を表明したことを受け、トランプ米大統領は17日、自身のソーシャルメディアに「ホルムズ海峡は二度と武器として利用されないだろう」と投稿し、歓迎する意向を示した。だが、イラン側による条件付きの開放は、トランプ氏がイランとの一時停戦の条件だとしていた「ホルムズ海峡の完全かつ即時、安全な開放」とは言えない。今回の「開放」により海峡を通過する船舶がどれほど増えるかは見通せず、世界経済への影響はまだ収まりそうにない。【カイロ古川幸奈】
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