ハンガリー次期政権、ウクライナへのEU融資認める意向
ハンガリー総選挙で3分の2以上の議席を獲得した保守系野党「ティサ(尊重と自由)」のマジャル党首が13日、ブダペストで記者会見し、オルバン政権が阻止してきた、欧州連合(EU)のウクライナへの無利子融資を認める意向を示した。マジャル氏は「ハンガリーの居場所は欧州だ」と述べ、親EU路線を取ることを強調した。
マジャル氏は、オルバン政権下で対立が深まったウクライナについて「ハンガリーの誰もが、ウクライナが被害者だと知っている」と語り、関係改善に取り組む意欲を改めて示した。
オルバン政権が3月のEU首脳会議で反対した、EUのウクライナへの900億ユーロ(約16兆5000億円)の無利子融資にも言及。オルバン氏が昨年12月の時点では自国の財政負担を伴わないことを条件に一度は同意していたことに触れ、「融資はハンガリーが除外されるという条件で12月に承認されている」との認識を示した。
また、親露的なオルバン政権が購入を続けてきたロシア産原油については、「エネルギー源の多様化を進める」と述べたものの、あくまでエネルギーを安価に入手するためと説明した。露産原油については「購入をやめるという意味ではない」と話した。
EUはウクライナに侵攻するロシアの収益源を絶つために露産エネルギーからの脱却を進める。だが、ハンガリーの露産エネルギーへの依存度は高く、マジャル氏はEUの論理とは一線を画す姿勢を示した形だ。
2010年から16年続いたオルバン政権は、司法や報道への政府の介入を進めた。マジャル氏は「法の支配を回復させるためにあらゆることをする」と宣言。汚職の対策機関を設置するほか、憲法を改正して首相の任期を2期8年に限定する考えも示した。通算5期目のオルバン氏は、首相に復帰できないことになる。
今後、シュヨク大統領が選挙から30日以内に新しい議会を招集して、首相が指名される。マジャル氏は早期の議会の招集を要求し、「国民は完全な体制転換を求めている。できるだけ早く仕事に取りかかりたい」と語った。【ベルリン五十嵐朋子】
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