米原子力規制委、新型炉の建設を許可 ゲイツ氏出資のテラパワー
米原子力規制委員会(NRC)は4日、マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツ氏が設立した新興の原子力企業「テラパワー」が、西部ワイオミング州で計画する次世代小型原発の建設を許可した。米メディアによると、米国で商用規模の原子炉の新規建設が認められたのは8年ぶり。
建設されるのは高速炉「ケメラー1号機」(出力34万5000キロワット)。商用化の一歩手前の実証炉にあたる。
高速炉は、動きの速い中性子による核分裂反応から熱を取り出す方式で、主流の軽水炉と比べて核燃料を効率よく燃やせる利点があるとされる。冷却材には液体ナトリウムを使う。併設する蓄熱装置との組み合わせで出力は50万キロワットまで増強可能という。
テラパワーは数週間以内に着工する。ワイオミング州で閉鎖が予定されている石炭火力発電所の近くで、2030年の完成を目指す。総工費は40億ドル(約6240億円)規模。
人工知能(AI)の普及により電力需要の急増が見込まれるなか、米国では原子力への支持が超党派で広がる。トランプ政権は50年までに原発の発電能力を現行の4倍とする目標を掲げる。規制審査を効率化する大統領令などにより、今回の安全評価は当初予定されていた27カ月から18カ月に短縮された。
ナトリウムには空気中の酸素や水に触れると発火したり爆発したりする性質がある。米国の科学者団体「憂慮する科学者同盟」は、NRCがテラパワーの新型炉の審査終了を発表した昨年12月、「従来型の原子炉と比べて重大な安全上の欠陥がある」とし、審査を「拙速」と批判した。
ナトリウムを使った日本の高速増殖原型炉「もんじゅ」は、事故やトラブルが相次ぎ、16年に廃炉が決まった。【ニューヨーク八田浩輔】
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