米国防長官「数日以内に制空権確保」 イラン戦線拡大、魚雷も使用

2026/03/05 10:16 

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 ヘグセス米国防長官は4日の記者会見で、米とイスラエルによる対イランの軍事作戦を巡り、「数日以内」にイラン上空の制空権を確保できるとの見通しを示した。インド洋の公海上で米潜水艦がイランのフリゲート艦を魚雷で攻撃し、沈没させたことも明らかにした。米国が第二次大戦後、魚雷で敵艦を沈没させたのは初めてだという。米CNNによると、乗組員約180人のうち80人以上が死亡した模様だ。

 戦闘は5日で6日目に入り、戦線は拡大を続けている。イランメディアによると、イラン側のこれまでの死者は少なくとも1045人に上った。米兵は6人が死亡した。ヘグセス氏は軍事作戦が最大で「8週間」続く可能性があると述べた。米軍制服組トップのケイン統合参謀本部議長によると、米側は既に局地的な制空権は確立しているという。

 報道によると、沈没したイランのフリゲート艦はインドで開かれた多国間の海軍演習に参加した後、スリランカ沖を航行中に魚雷攻撃を受けた。約30人がスリランカ当局に救助され、約60人が行方不明になっているとみられる。

 米中央軍によると、米側はこれまでにイランの軍艦20隻以上を破壊した。イランが原油輸送の要衝ホルムズ海峡などでタンカーなどへの攻撃を繰り返し海運を脅かす中、海軍力を削ることに力を入れている模様だ。

 ケイン氏は今後、「イランの内陸部にも攻撃を拡大する」と表明。その上で、イラン側からの攻撃が次第に弱まっているとも指摘し、戦闘開始当初と比較して、イラン側からの弾道ミサイルによる攻撃は86%、無人航空機(ドローン)によるものは73%減ったという。

 イラン側も反撃を続けている。トルコ国防省は4日、イランから飛来してきた弾道ミサイルを東地中海上で迎撃したと発表した。トルコは北大西洋条約機構(NATO)加盟国で、米軍基地もあるため、イランが標的にした可能性がある。

 トルコのフィダン外相はイランのアラグチ外相と電話協議し、イランに対して抗議し、「紛争のさらなる拡大につながる行為は避けなければいけない」と語った。イラン側は引き続きカタールやサウジアラビアなどの湾岸諸国も攻撃している。

 また、イスラエル軍は4日、テヘラン東部に対する大規模な空爆を実施し、精鋭軍事組織・イラン革命防衛隊や対外工作を担う「コッズ部隊」の拠点を空爆した。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)の4日の報道によると、イランの情報機関が水面下で米側に対して、停戦条件に関する協議を始めるよう打診した。米側はイランの体制幹部が相次いで殺害される中で、合意を締結できる人物がいるのか懐疑的に見ているという。

 トランプ米大統領は4日、軍事作戦に関し、「10点中の評価を尋ねられれば15点だ」と述べ、作戦が成果をあげていると強調した。【ワシントン金寿英、カイロ金子淳、エルサレム松岡大地、ニューデリー松本紫帆】

毎日新聞

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