地裁「民主主義の核心的価値損なった」 韓国・尹前大統領に無期懲役

2026/02/19 19:23 

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 韓国の「非常戒厳」宣布を巡り、内乱首謀罪などに問われた前大統領の尹錫悦(ユン・ソンニョル)被告(65)に対し、ソウル中央地裁は19日、無期懲役を言い渡した。地裁は「合法的な手続きを無視し、暴力的な手段を通じて国会を無力化しようとし、民主主義の核心的な価値を根本的に損なった」と非難した。

 また、国会の活動をまひさせる目的で軍を国会に派遣したことが事件の核心だと指摘。こうした行為は憲法秩序の破壊を目的とした暴動にあたり、内乱罪が成立すると結論づけた。そのうえで尹被告が事件を首謀したと認めた。

 判決によると、尹被告は大統領だった2024年の遅くとも12月1日ごろ、当時の最大野党「共に民主党」が多数を占める国会が「大統領と政府の活動を事実上、無力化している」と考え、武力を使ってでも国会を制圧せねばならないと決意した。

 同月3日、国防相だった金龍顕(キム・ヨンヒョン)被告らと共謀し、非常戒厳を宣布した。非常戒厳の解除要求決議をしようと集まった国会議員を排除するため、尹被告らは国会に軍や警察を投入。また不正選挙の捜査を進めるためだとして中央選挙管理委員会に軍を送り込んだ。

 国会は12月4日、非常戒厳の解除要求決議を賛成多数で可決。尹被告らのたくらみは失敗に終わった。

 内乱首謀罪の法定刑は死刑、無期懲役または無期禁錮。特別検察は「憲政史上、前例のない重大な憲法秩序の破壊だ」と死刑を求刑していた。一方で判決は「直接の物理的な暴力を行使した例はそれほど見当たらず、大半の計画は失敗に終わった」とも指摘。極刑は避けた形だ。

 地裁は19日、金被告に対しては懲役30年を言い渡した。【ソウル日下部元美、福岡静哉】

毎日新聞

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