ベネズエラ「麻薬船」攻撃 米連邦議員から「戦争犯罪」との疑義
米トランプ政権が9月に南米ベネズエラ沖で初めて実施した「麻薬運搬船」攻撃をめぐり、連邦議員から詳細な説明を求める声が高まっている。ワシントン・ポストは11月28日、ヘグセス国防長官が乗組員全員の殺害を命じ、最初の攻撃で2人の生存が確認されたため、米軍が再び攻撃して殺害したと報道。議員からは「戦争犯罪の可能性がある」との指摘も出ている。
報道によると、米軍は9月2日、偵察機で長時間追跡した船に麻薬が積まれているとの確証を得て、ヘグセス氏が全員の殺害を口頭で命令。ミサイルで爆撃後、炎上する残骸にしがみつく2人が発見されたが、司令官が追加攻撃を指示して殺害したという。
戦時国際法は負傷などで敵対行為に参加していない戦闘員の殺害を禁じている。同紙によると、米軍はその後、攻撃後に生存者がいた場合は救助するよう方針を変更。これまでに生存者数人が拘束され、本国に送還されたという。
ヘグセス氏は先月28日、X(ツイッター)で報道を「虚偽だ」とし、「現在の作戦は合法だ」と反論した。トランプ氏は30日、ヘグセス氏が命令を否定していると述べ、「100%信じている」と強調。「私も2回目の攻撃は望まないだろう」とも語った。
一方、共和党のベーコン下院議員は、報道が事実であれば「明確に戦時国際法に違反している」と指摘。民主党のケーン上院議員は「戦争犯罪の可能性もある」とした。上下両院の軍事委員会の与野党幹部はそれぞれ連名で声明を出し、国防総省に調査実施や説明を求める考えを示した。
トランプ政権はこれまでにカリブ海や東太平洋で20回以上の攻撃を繰り返し、80人超を殺害。「麻薬密輸組織と紛争状態にある」などと正当化している。
一方、トランプ氏は30日、麻薬対策を名目に軍事圧力を強めるベネズエラのマドゥロ大統領と電話協議したことを認めたが、内容は明らかにしなかった。ウォール・ストリート・ジャーナルは、トランプ氏がマドゥロ氏に退陣を求め、応じない場合は武力行使も含めた対応を検討すると伝えたと報じていた。【ワシントン金寿英】
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