ガザ停戦協議に「二つの段階」 6日は人質解放の交渉に傾注か

2025/10/06 10:01 

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 パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとイスラエルの停戦に向けた協議が6日、エジプトで始まる。ガザの戦闘は7日で開始から2年。ハマスの武装解除や戦後統治などを巡り双方には隔たりが残る中、戦闘終結と人質解放に向けて具体的な合意が得られるかが焦点だ。

 英公共放送BBCなどによると、停戦協議には仲介国カタールのムハンマド首相兼外相のほか、米国のウィットコフ中東担当特使とトランプ米大統領の娘婿クシュナー元大統領上級顧問も参加し、人質解放の具体的な手順などを協議。ハマス側は人質解放の条件として、イスラエル軍の軍事作戦の停止や人口密集地からの撤退などを要請するとみられている。

 トランプ氏は5日、記者団に、和平案は「いくつかの変更」があり得るとし、「交渉は数日かかる」との見通しを示した。また、自身のソーシャルメディアでは、これまでのハマス側との交渉について「極めて順調に進んでおり、急速に進展している」と説明。6日の協議では、「最終的な詳細を詰める」とした。

 和平案を巡っては、ハマスは武装解除や戦後統治案について難色を示しており、イスラエル側との溝がある。ルビオ米国務長官は5日、米CBSや米ABCのインタビューで、交渉には人質解放と戦後統治の「二つの段階」があると指摘。ハマスを排除した形での統治機構の設立には「多くの労力と時間がかかる」と語り、6日の協議では主に人質解放の交渉に傾注する姿勢を示した。また、既に技術的な話し合いは始まっているとし、「今週初め」の合意を望んでいるとも言及した。

 ガザではイスラエル軍が軍事作戦を抑制しているが、攻撃は続いている。中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、5日は少なくとも24人が死亡した。イスラエル軍のザミール参謀総長は5日、ガザ地区に駐留する部隊を視察し、「もし政治的な努力が成功しなければ、我々は戦闘に戻る」と強調した。

 ガザでは2年間の戦闘でこれまでに6万7000人以上が死亡。イスラエル軍も地上侵攻後、460人以上の兵士が死亡した。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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