中国、人材獲得へビザ新設 トランプ政権に対抗も、国内猛反発
中国政府は1日から外国の若手科学技術人材向けのビザを新設した。トランプ米政権が外国人の留学や就労の門戸を狭めているのを逆手に、世界から高度人材を獲得する狙いがあるとみられる。ただ、国内では「雇用が奪われる」との懸念が広がり、官製メディアが火消しに走る事態となった。
◇就職氷河期、SNSで懸念相次ぐ
中国外務省によると、新たに設けられる「Kビザ」は、国内外の著名な大学・研究機関で科学、技術、数学領域の学位を取得したり、研究職に従事したりした若手人材が対象。ビザを取得すれば、中国でビジネスや起業、教育・研究など幅広い活動に従事できる。
中国紙「環球時報」は9月30日の社説で、若く優秀な人材の獲得が人工知能(AI)開発のような技術革新に欠かせないとその意義を強調。「かつては米国を代表とする西側国家がグローバル人材の終着駅になっていたが、現在は中国が人材獲得で有利な地位に立とうとしている」と主張し、米国への対抗心をのぞかせた。
国内の関心は高く、交流サイト(SNS)の検索ランキング上位を占めたが、「移民流入」への否定的な反応が目立った。
現在、中国の大学生たちは「卒業即失業」と言われる就職氷河期のただ中にある。それだけにSNS上では「外国の人材を受け入れれば、中国人学生の職探しがさらに難しくなる」との懸念の声が相次いだ。
景気停滞で庶民の暮らしが厳しくなる中、今回の措置が「外国人優遇」と受け止められ、反発が広がったとみられる。
◇共産党機関紙、沈静化図る
普段は共産党の決定を支持する保守派の言論サイトには「スパイの浸透工作に利用される」「中華民族の主体性が打撃を受ける」など異例の政策批判が投稿されていた。
欧米や日本とは政治体制の異なる中国でも、外国人政策は国民の理解を得るのが難しい課題のようだ。共産党機関紙「人民日報」(電子版)は論評記事で「政策への誤解が生じている」と強調。「我が国は人的資源の規模こそ世界一だが、高度人材は不足している。雇用が奪われるとの懸念は全く必要がない」と主張し、事態の沈静化を図った。【北京・河津啓介】
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