トランプ米大統領は２２日、極左運動「アンティファ（反ファシスト）」を国内テロ組織に指定する大統領令に署名した。ただ具体的な対象者や規制方法は明記されておらず、実際にどのような動きに出るかは不透明だ。

　トランプ氏は大統領令で、アンティファを「米国政府と法の支配の転覆を明確に掲げる軍事的・無政府主義的組織」と定義。全ての関係省庁に適用可能な法令を駆使してアンティファに関連する個人の非合法活動や資金提供者らへの取り締まりを命じた。

　ロイター通信によると、米連邦法では国内の団体をテロ組織として取り締まる法律は存在せず、大統領令は言論の自由を保障する憲法に違反する可能性もあるという。

　アンティファには明確なリーダーや指揮系統は存在しないとされる。米紙ワシントン・ポストによると２０１７年の第１次トランプ政権発足後、極右団体とアンティファがデモで衝突するケースが目立っているという。

　トランプ氏は自身に近い保守活動家のチャーリー・カーク氏（３１）が射殺された事件後、「政治的な暴力の元凶は左派だ」と一方的に主張している。【ワシントン金寿英】