<1分で解説>タイとカンボジアが停戦合意 どうして戦っていたの?

2025/07/29 11:03 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 マレーシアで28日、タイとカンボジアの首脳が協議し、29日から無条件の停戦に合意しました。タイとカンボジアの国境地帯で起きた軍事衝突で、多くの民間人が被害を受け、住民の避難も続いていました。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「タイとカンボジアの停戦合意」を解説します。

Q タイとカンボジアが停戦したって聞いたよ。どうして戦っていたの?

A タイとカンボジアは800キロ以上にわたり国境を接し、陸路での人の行き来や貿易が盛んに行われてきました。でも、国境の一部でどちらの国のものかはっきりしない土地があり、今回は24日からタイ東北部とカンボジア北部の間の係争地で銃撃戦が発生し、軍事衝突が起きていました。

Q 停戦はいつから始まるの?

A 現地時間の29日午前0時(日本時間・午前2時)から、無条件で停戦することが決まりました。

Q 停戦の話し合いはどこで行われたの?

A マレーシアで28日に両国の首脳が集まり、協議が行われました。

Q 誰が話し合いを仲介したのかな。

A マレーシアのアンワル首相が仲介役を務め、米国と中国の駐マレーシア大使も同席しました。

Q 今回の協議でどんな発言があったの?

A アンワル氏は「両国は共通の理解に達した」と述べ、タイのプムタム首相代行は「両国が誠意をもって停戦を履行することで一致した」と話しました。カンボジアのフン・マネット首相も「対話で前向きな役割を果たしたタイの首相代行に感謝する」と述べました。

Q 衝突でどんな被害が出たの?

A 24日から28日までの間に、両国で民間人を中心に30人以上が亡くなり、10万人以上の住民が避難していました。

Q 今後はどうなるの?

A 米国のトランプ大統領は27日、訪問先の英北部スコットランドで、記者団に対し、タイとカンボジアの首脳に電話で「戦争を解決しない限り、貿易協定を結ぶつもりはない」と伝えたと説明。「両国の首脳は本当に停戦合意を望んでいる」と期待感を示していました。また、東南アジアに影響力を持つ中国の郭嘉昆・外務省副報道局長は28日、「高く評価する」とコメントし、「中国は引き続き、建設的な役割を果たしていく」と述べました。国際社会が見守る中、タイとカンボジアが問題を平和的に解決できるかが注目されています。

毎日新聞

国際

国際一覧>

注目の情報