米国とイスラエル、ガザ停戦の交渉団引き揚げ ハマスの回答に不満

2025/07/25 09:54 

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 米国のウィットコフ中東担当特使は24日の声明で、パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラエルとイスラム組織ハマスとの停戦を巡る交渉に関し、仲介国のカタールに派遣した米国の代表団を引き揚げると明らかにした。ハマスが24日に示した停戦案への回答について「停戦合意への意欲の欠如を示している」と批判し、ハマスが拘束する人質を解放するため「別の選択肢」を検討するとした。

 イスラエルとハマスは7月に入ってから、60日間の停戦に向けて交渉を本格化させている。ウィットコフ氏は24日にイタリアの首都ローマを訪問し、イスラエル側と協議した上で、進展があればカタールを訪れる予定だった。

 米ニュースサイト「アクシオス」によると、ハマス側は、イスラエル人殺害の罪で終身刑を言い渡されたパレスチナ人200人や、2023年10月の戦闘開始以降に拘束された2000人の解放を要求。仲介国の提案に含まれていた人数よりも多い人数の解放を求めているという。

 一方、イスラエル側はウィットコフ氏に対して、ハマスの要求は受け入れられないと伝達。イスラエルのネタニヤフ首相もカタールから代表団を帰国させると発表した。ただ、アクシオスによると、イスラエルの当局者は停戦交渉は「崩壊してはいない」と説明。交渉団の引き揚げは、ハマス側に譲歩を迫るための圧力の可能性もありそうだ。【ワシントン松井聡】

毎日新聞

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