ドイツとノルウェーがパトリオット3基購入へ ウクライナ供与で合意

2025/07/11 09:19 

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 ウクライナのゼレンスキー大統領は10日、ドイツとノルウェーが防空システム「パトリオット」を購入し、ウクライナに供与することに合意したと明らかにした。ロシア軍からのミサイルや無人航空機(ドローン)攻撃が激化する中、防空強化はウクライナの喫緊の課題となっている。

 イタリア・ローマで始まった、ウクライナへの官民からの投資などを議論する「ウクライナ復興会議」での記者会見で述べた。

 ゼレンスキー氏によると、ドイツは2基、ノルウェーは1基のパトリオットを購入するという。ゼレンスキー氏は、ウクライナの効果的な防空のためには「10基のパトリオットと、ミサイルの適切な供給が必要だ」と主張。パトリオットに関してはトランプ米大統領とも協議中で、供与の見通しが立てば「他の欧州のパートナーも加わるだろう」と見込みを述べた。

 一方、同会議に出席したドイツのメルツ首相は10日、ウクライナ向けパトリオットの購入について「準備はできている」と述べた。メルツ氏は「米国も自国のために(パトリオットを)必要としているが、たくさん所有してもいる」と指摘。ただ、最終的な決定には至っておらず、米独の国防相が今後協議するとの見通しを示した。

 今月上旬、米国がパトリオット用ミサイルを含むウクライナ向け兵器の供給を一部停止したことが明らかになり、ウクライナでは防空態勢が脆弱(ぜいじゃく)になることへの危機感が高まった。兵器の供給は既に一部が再開されたと報じられており、トランプ氏はパトリオットの追加供与も検討すると語っている。【ベルリン五十嵐朋子】

毎日新聞

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