カナダ、デジタルサービス税を土壇場で撤回 トランプ氏圧力受け

2025/06/30 16:12 

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 カナダ政府は6月29日(日本時間30日)、米大手IT企業などを対象にした「デジタルサービス税(DST)」を撤回すると発表した。これを受け、カーニー首相とトランプ米大統領は7月21日までの合意を目指し、貿易交渉を再開することで一致した。トランプ氏は6月27日、DSTを理由に貿易交渉を即座に打ち切ると表明していたが、一転して交渉を続けることになった。

 カーニー氏は声明で「(米国との)いかなる合意案であっても、カナダの労働者と企業の最善の利益にかなうかを指針として、判断する」と説明した。

 オンライン広告などに課されるカナダのDSTは、トルドー前政権の2024年に導入が決まった。グーグルやメタなど米IT企業を対象に、6月30日に最初の納付期限が迫っていたが、トランプ氏の圧力を受けて土壇場で取り下げた形だ。カナダ政府は近くDSTの廃止法案を連邦議会に提出するとしている。

 トランプ氏は27日、自身のソーシャルメディアで、DSTを米国に対する「直接的かつ露骨な攻撃だ」とし、貿易交渉の打ち切りを通告。カナダが支払うことになる新たな関税率を「7日以内」に発表するとしていた。トランプ政権はカナダに対し、合成麻薬フェンタニルの流入を理由にした25%の関税などを課している。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

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