CIA長官ら、イラン核施設「再建に数年」主張 米CNN報道に反発

2025/06/26 18:16 

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 トランプ米大統領は25日、訪問先のオランダ・ハーグで記者会見し、米軍のイラン核施設に対する攻撃で「イランの核開発能力を何年間も後退させた」と強調した。「施設の被害は限定的」との分析を伝えた米CNNテレビなどの報道に激しく反発し、「核施設は完全に破壊された」と主張した。

 CNNテレビなどは24日、米情報機関の初期的な分析として「イランの核開発計画の中枢部分は破壊されておらず、計画を数カ月遅らせる程度にとどまった可能性が高い」との見方を報じた。トランプ氏は、こうした報道が核施設への空爆を遂行した兵士たちを「おとしめている」などと非難した。会見に同席したヘグセス国防長官も「信頼性の低いリーク情報だ」などと述べた。

 25日には米情報機関の幹部らも攻撃の「成果」をアピールし、トランプ氏を擁護。情報機関トップのギャバード国家情報長官は、X(ツイッター)に「イランの核施設再建には数年かかる」と投稿。「核施設が破壊されたとするトランプ氏の発言が正しいことを新たな情報で確認した」と書き込んだ。中央情報局(CIA)のラトクリフ長官も声明を出し、「歴史的に信頼できる正確な情報源と方法」を通じて「複数の主要なイラン核施設は破壊され、再建には数年かかる」と強調した。

 イランの核開発能力が大きく後退したとする具体的な根拠の詳細は明らかになっていない。

 米紙ニューヨーク・タイムズは25日、国際機関が現地を確認するまでは被害の実態を把握するのは困難だと指摘。一方、仮にイランが隠し持った濃縮ウランを秘密の核施設に移せば比較的早期に核開発計画を再開できるとする米政府関係者の見方を伝えている。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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