ハメネイ師、停戦後も沈黙保つ イラン国内では安否に不安の声も

2025/06/26 17:49 

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 イランとイスラエルの戦闘が終結したにもかかわらず、イランの最高指導者ハメネイ師は沈黙を続けている。国内では不安の声も上がり、その動向に注目が集まっている。

 最高指導者は国家の重要案件について最終決定権を持つ。24日に発表された停戦合意にもハメネイ師の意向が反映されたとみられている。

 しかし、ハメネイ師は18日のテレビ演説以降、1週間以上公の場に姿を見せていない。本人のものとされるX(ツイッター)アカウントも、イランが23日にカタールの米軍基地を報復攻撃した直後に「誰にも危害を加えなかった」と投稿して以降、更新が止まっている。

 米紙ニューヨーク・タイムズなどによると、イラン国営テレビにはハメネイ師の安否を気遣う視聴者の声が相次いで寄せられている。ハメネイ師の事務所も所在などについて明確な説明を避けたという。

 ハメネイ師は、13日にイスラエルとの戦闘が始まって以来、暗殺を警戒して身を隠しているとされる。停戦後も避難を続けている可能性がある。

 ただ、ハメネイ師の「不在」が続く中、欧米との対話路線を模索する穏健派と、対決姿勢を崩さない保守強硬派との間で駆け引きが激化しているとも報じられている。不在が長引けば、近く再開するとみられる米国との交渉などにも影響を及ぼしかねない。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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