トランプ氏「世界が歓迎」 イスラエルとイランの「停戦合意」で
トランプ米大統領は23日、自身のソーシャルメディアで、今月13日から交戦を続けてきたイランとイスラエルが「全面的な停戦で合意した」と明らかにした。米東部時間24日午前0時(日本時間24日午後1時)ごろから双方が攻撃を縮小、停止し、段階的に停戦を目指す。トランプ氏は「12日間戦争の正式な終結は、世界から歓迎されるだろう」と強調した。
イランのアラグチ外相は24日のX(ツイッター)への投稿で、「イスラエルとの停戦や軍事作戦停止の合意はない」とする一方で、「イスラエルが攻撃をやめるなら、反撃する意図はない。最終的な決定は後ほど下される」とした。ロイター通信によると、イラン当局者は米国の停戦案に同意したと認めた。
イスラエル政府は停戦に関して正式には発表していない。ロイターによると、イスラエルのネタニヤフ首相は23日のトランプ氏との電話協議で「イランがイスラエルを攻撃してこない限り、停戦に同意する」と述べたという。
トランプ氏の「停戦」発表に先立ち、イランは23日、米軍による核施設攻撃に対する報復として、在カタールのアルウデイド米軍基地を弾道ミサイルで攻撃した。イランの精鋭軍事組織・革命防衛隊は「破壊的で強力なミサイル攻撃を行った」と発表した。
標的になったのは中東で最大規模の米軍基地で、約1万人の米兵が駐留している。カタール外務省は声明で「国際法に沿って直接、対応する権利を持つ」と攻撃を強く非難した。
ただ、米メディアによると、イランは事前にカタール政府に攻撃を通告。米国にも情報は伝わっていた可能性がある。攻撃を受けたカタールは水面下では米国とイランの連絡役を担っていた。
トランプ氏は報復攻撃を受けた直後のソーシャルメディアへの投稿で「(報復は)とても弱かった」と指摘。発射されたミサイル14発のうち13発を迎撃し、残る1発も米軍に危害がない方向に飛んだ。人的被害はなく、物損もほとんどなかったという。
トランプ氏は「イランが早期に通告してくれたことに感謝したい。イランは地域の平和と調和を進められるかもしれない。ぜひイスラエルにも同じことをするように促したい」と強調。この投稿から約2時間後に「停戦合意」を発表した。
停戦の枠組みは不明確な部分もある。トランプ氏は一時停戦の発効後、先にイラン、次にイスラエルが戦闘を停止すると説明。「24時間後」に正式な戦争終結に移行するとした。「一時停戦期間中は、双方が平和的かつ敬意を持って行動する」ともくぎを刺した。
トランプ氏は一時停戦の発効までは、双方の攻撃が続くことも示唆した。実際に「停戦合意」の発表後の24日未明も攻撃は続いた。
イスラエルはイランの核兵器保有を防ぐためとして、今月13日に核関連施設などへの攻撃を開始。革命防衛隊幹部や核科学者らも殺害。イラン側も弾道ミサイルで応戦していた。
在米人権団体などによると、イランでは23日までに950人以上が死亡、3450人が負傷。イスラエル側では24人が死亡、1200人以上が負傷した。
両国の交戦が激しくなる中、イランとの核開発を巡る交渉が行き詰まっていた米政権は22日、イランの核施設3カ所への空爆に踏み切った。米国がイランを攻撃するのは初めてで、紛争の長期化が懸念されていた。【ワシントン松井聡、金寿英、カイロ金子淳】
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